· 

マイハウスではなくマイファームと言える生き方

彼が住んでいるのは世界一魅力的首都と言われているウェリントンから車で30分の人口200人の小さな町。犬が2匹、ポニーが一頭、ヤギのような羊が2匹、チビブタが一匹、よく草を食べてくれる。そして、今は日本出張中なのでワイフのようなガールフレンドが、それらの世話をしている。彼はものすごく足が達者だ。彼の土地は9ヘクタールだから、歩くのは鍛えられている。これから自分の力で小さな小屋を建てたい。小川がたくさんあるから、小水力発電もやりたい。そう言えば、この国には原発なんてないよ。小川の水を引いて、日本の水田のような田んぼを作るのが夢なんだ。彼女は米が好きなんだ。彼は隠遁した年寄りじゃない。41歳、職業はプログラマーだ。彼は自分の家をマイハウスとは言わない。マイファームと言う。そんな生き方をしている人がたくさんいるのがニュージーランドだ。でも、そんな生き方をしようと思えば、好奇心をもち本当に学んでいく姿勢が必要だ。自然の中での暮らしでは好奇心は飽きることがない。ジグソースタイルの建築、自然エネルギーだけの生活、ロケットストーブで作るお好み焼き、ドラム缶オーブンで焼くピザ、木の風呂桶、山の崖をくりぬいたところにある山岳仏教のお堂、ニュージーランドとは違う植物、たくさんのありすぎる杉とバンブー、小さな棚田、放置されてしまった田んぼ、彼の心にはどう映ったのか。フキ味噌をおいしいと言ってずっと食べていた。鉈と鋸を買って帰った。鉈は刃物店で買った10000円の高級品だ。地下足袋も欲しかったが、外国人には足のサイズが小さすぎて合わなかった。